2026年10月8日にAtlassian Team Playbookの役割・責任整理とDACIを再確認した。現行の役割整理は役割ごとの責任、他者の認識、自分の認識、未割当を表にし、重複には主担当・協力者・バックアップを置き、未割当には所有者と期限を与える。DACIや同様の型は判断権限の規程そのものではないため、決定者、助言者、共有先、異論、見直し条件を自社の権限表と決定ログへ接続する。
30秒で要点
- 組織のアライメントは、全員の意見を同じにすることではなく、目的、判断権限、責任、共有範囲を同じ記録へ置くことです。
- AtlassianのRoles and Responsibilitiesは、役割ごとの責任を本人の認識と周囲の認識で照合し、未割当を残さない手順を示します。
- DACIは、Driver、Approver、Contributors、Informedを分け、決定の期限と結果を共有する枠組みです。自社の権限規程と合わせて使います。
アライメントは「同じ意見」ではない
部署間で結論が割れるとき、価値観の違いだけを原因にすると、次の会議でも同じ衝突が再生されます。まず、問いの範囲、決定者、入力を出す人、影響を受ける人、期限、再判断の条件を分けます。反対意見が残っていても、役割と判断基準が明確なら、決めた理由と見直す条件を共有できます。
AtlassianのRoles and Responsibilitiesは、役割を人ではなく役割の単位で確認し、「自分が考える責任」「周囲が考える責任」「未割当の責任」を並べます。合意できない項目を無理に消さず、未割当やフォローアップとして残すのがポイントです。決定の四つの役割を置く
AtlassianのDACIは、複雑な決定の役割を次の四つに分けます。表が収まらない場合は、横にスクロールできます
| 役割 | 担当すること | 担当しないこと |
|---|---|---|
| Driver | 問い、期限、情報、会議、行動項目を整える | 最終承認を一人で代替する |
| Approver | 一人の最終決定者として選択肢を決める | 全員の賛成を条件にする |
| Contributors | 専門知識、データ、反対案を提供する | 相談を拒否権に変える |
| Informed | 決定で仕事が変わる人へ結果と理由を知らせる | 会議参加を意思決定権と誤認する |
DACIは責任を固定する命令ではなく、決める前に権限と期待を可視化する道具です。法務、情報セキュリティ、労務など別の承認規程がある場合は、その規程を優先します。
未割当の仕事を見える化する
役割表に次の列を置き、仕事の単位で埋めます。
表が収まらない場合は、横にスクロールできます
| 項目 | 書くこと | 確認する質問 |
|---|---|---|
| 責任の対象 | 成果物、判断、運用、期限 | 何が終われば責任を果たしたか |
| 本人の認識 | 担当者が引き受ける範囲 | どこまでなら約束できるか |
| 周囲の認識 | 他の人が期待する範囲 | 期待が過大・不足していないか |
| 主担当と協力者 | 一人の主担当、支援、代替 | 重複と空白はどこか |
| 未割当 | 引き受け手のいない仕事 | 役割を新設するか、期限付きで委任するか |
Atlassianの手順では、責任を受け入れるか、委任するか、未割当として再検討するかを対話します。役職名だけを並べても、成果物の所有者と決定者は自動的には決まりません。
決定ログを一枚にする
表が収まらない場合は、横にスクロールできます
| 欄 | 記録すること |
|---|---|
| 問いと期限 | 何をいつまでに決めるか |
| 成功条件 | 目的、制約、測る結果 |
| 選択肢 | 採用案、代替案、しない案 |
| 根拠 | データ、利用者の声、専門家の留保 |
| DACI | Driver、Approver、Contributors、Informed |
| 決定と反対意見 | 決めたこと、残した異論、採用しなかった理由 |
| 次の行動 | 担当、期限、依存関係 |
| 見直し条件 | 変わった前提、閾値、停止・再承認の条件 |
「全員で決める」と書くと、実際の決定者が不明になりやすくなります。意見を出す権限と、決める権限、決定後に知る権限を分けて記録します。
15分で整える会議の型
- 問いを一文にする。背景説明を長くせず、選択肢と期限を先に置きます。
- 役割を仮置きする。DriverとApproverを決め、ContributorsとInformedの範囲を明記します。
- 判断基準を二つから五つに絞る。費用、顧客影響、リスク、時間など、今回の決定に効く軸だけにします。
- 根拠の強さを揃える。観測値、推定、仮説、意見を別欄に置きます。
- 反対案と未解決を残す。採用しなかった理由と、誰がいつ確認するかを書きます。
- 決定を共有する。影響を受ける人へ、結論、理由、変更点、次の行動を届けます。
- 見直し日を予約する。前提が変わる条件と、定期レビューの日を同じログへ残します。
目的と指標をつなぐ
アライメントを「会議の回数」や「文書のページ数」で測ると、記録が増えるだけになります。目的に近い結果指標と、途中で確認できる行動指標を分けます。
表が収まらない場合は、横にスクロールできます
| 目的 | 結果の確認 | 途中のシグナル |
|---|---|---|
| 顧客対応を揃える | 再問い合わせ、解決時間、顧客評価 | 未割当、エスカレーション、判断ログの欠落 |
| リリース判断を速くする | 期限内の意思決定、手戻り | Approver不在、入力待ち、前提の更新 |
| 予算の優先順位を揃える | 目標への寄与、停止判断 | 根拠の出所、反対案、見直し条件 |
| チームの学習を残す | 再発率、改善の実行 | 振り返り、フォローアップ、責任の空白 |
指標が悪化したときに人を責めるのではなく、役割、判断基準、情報の流れのどこが詰まったかを見直します。
ありがちな失敗
- 役職名を並べただけで、成果物と決定者が明確になったと考える
- Approverを複数人にして、誰も最終判断を引き受けない
- Contributorsの助言を拒否権と扱い、Informedを会議の全員と扱う
- 未割当の仕事を善意や残業で埋め、期限と所有者を記録しない
- 決定理由と反対意見を残さず、後から同じ議論を繰り返す
- 指標だけを追い、目的や利用者への影響を見失う