なぜコンサルタントの話は、難しく聞こえるのか
この記事が想定する読者:コンサルタントとの打ち合わせ後「よく分からなかったがプロの言うことだから」と進めてしまい、あとから不安になる発注側。
判断を誤るとどうなるか:説明の妥当性を検証できず「納得したつもり」で進めると、本当の判断支援にならず後からズレが表面化する。先に「不利な情報も含めて選択肢を並べ、考える時間をもらう」かどうかを相談の前提にすると失敗しにくい。
コンサルタントと打ち合わせをしたあと、こんな感覚を持ったことはないでしょうか。
- 専門用語が多く、正直よく分からなかった
- でも「プロが言うならそうなのだろう」と思って進めた
- 本当にこれが最善だったのか、あとから少し不安になる
これは、決して珍しい話ではありません。
そして、この違和感はあなたの理解力の問題ではありません。
なぜ、こうした状況が起きやすいのか
多くのコンサルタントは、企業の意思決定を支援する立場にあります。
一方で、コンサルタント自身も「会社員」であり、社内では評価基準を持っています。
その多くは、
- 契約を継続できたか
- 追加の契約につながったか
- 会社の売上にどれだけ貢献したか
といった指標です。
これは個人の善悪の問題ではありません。
この評価構造の中では、ある行動が合理的になります。
- 専門性が高く見える説明
- 短時間で結論に導く提案
- 判断を委ねさせる進め方
結果として、「理解すること」よりも「進めること」が優先されやすくなります。
クライアント側で起きている、もう一つの構造
多くの企業がコンサルタントを入れる理由は明確です。
- 社内に十分な知見がない
- だから外部の専門家に頼る
これは、とても健全な判断です。
しかし同時に、知識がないからこそ、説明の妥当性を検証できないという状況も生まれます。
その結果、
- 本当に納得したわけではない
- でも「そういうものなのだろう」と受け入れる
という状態に陥りやすくなります。
ここで提供されているのは、本来の「判断支援」ではなく、納得させられたように感じる体験かもしれません。
本来、コンサルタントは何を提供する存在だったのか
私たちは、コンサルタントの価値を「正解を出すこと」だとは考えていません。
なぜなら、企業の状況はそれぞれ異なり、正解は一つではないからです。
本来提供されるべきなのは、
- 前提の整理
- 選択肢の提示
- それぞれのリスクと可能性の開示
そのうえで、自分たちで判断できる状態を取り戻すことだと考えています。
私たちの立ち位置について
私たちは、難しい言葉で納得させることを価値とは考えていません。
不利な情報も含めて開示し、選択肢を並べ、考える時間を持ってもらう。
その結果、「今回は契約しない」という判断が出ることもあります。
それでも構わないと考えています。
なぜなら、それこそが正しい判断が行われた結果だからです。
本記事はコンサルが「難しいこと」を言いがちな理由と、不利な情報も含めて判断を渡す姿勢に特化しています。実際の相談の進め方や期待に応えられる範囲は目的・状況により異なるため、相談の選び方・expectations・なぜ売らないかの記事とあわせて自社の前提に合わせた判断をおすすめします。
判断の土台として押さえておくこと
- 「難しく聞こえる」背景には評価構造がある:コンサル側は継続・追加契約・売上貢献で評価されがち。理解より「進める」が優先され、判断を委ねさせる進め方になりやすい。
- 発注側は知識格差から検証できない:専門家に頼るのは健全だが、説明の妥当性を確かめられないと「そういうものだろう」で受け入れがち。本当の判断支援かどうかを見る。
- 判断支援とは選択肢を並べ、考える時間を渡すこと:不利な情報も含めて開示し、今回は契約しないという結論も正しい結果として扱う。
次の一手:なぜ私たちは「売らない」のか/なぜ私たちは「誰とでも」仕事をしないのか/私たちの考え方(信念・断定しない思想・行動原則の一本線)
もし、私たちの考えに共感していただけたなら
もし、ここまでの考え方に違和感がなければ、一度ご相談いただくのも一つの選択です。
最初の30分の対話で、思考の質、対話の質を、お互いに確認していただけます。
お問い合わせページから、ご連絡ください。次の思考ステップ
この記事の内容は、私たちの仕事の「考え方」そのものです。より詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてください:
First byteの考え方について、以下の記事も参考にしてください:
- なぜ、私たちは「誰とでも」仕事をしないのか:責任と関係性を大切にする姿勢
- なぜ、私たちは「実績を公開しない」のか:思考の質で判断してもらう姿勢
- なぜ、私たちは「売らない」のか:対話から始まる設計思想