Web サイト作成入門:目的に合わせた作り方ガイド
「Webサイトを作りたいが、どう判断すればいいかわからない」
そのとき多くの人は、ノーコードツール、CMS、プログラミングなど「技術」を学ぶことから始めます。
もちろん技術は重要です。
ただ実務では、技術以前に「前提(目的・戦略・判断軸)」が設計されていないことで、何を作っても噛み合わない状態になっているケースが少なくありません。
何のためにWebサイトを作るのか(目的)
どこで勝つのか(戦略)
何を見て良し悪しを判断するのか(判断軸)
ここが曖昧だと、制作が「作業」になりやすく、改善の方向性もブレます。
結果として、Webサイトを作っても成果が出ない、改善施策を打っても成果が出ない、といったズレが起きやすくなります。
この記事では、Web サイト作成の第一歩として、
- Web サイトの基本的な仕組み
- 主な Web サイトの作成方法とその比較
- Web サイト作成の基本的な流れ
- 自分に合った作り方の選び方
などを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
※この記事は、Webサイト作成を理解し、判断に活用する方向けです。即効性を求める方や、すでに前提設計が明確な方には、より具体的な実践記事をおすすめします。
この記事を読む前に
この記事は、Webサイト作成の基礎を理解するための入門記事です。特に前提知識は必要ありませんが、以下の記事を事前に読んでおくと、より深く理解できます:
- プログラミングとは?超初心者向け完全ガイド:プログラミングの基礎知識(コーディングでWebサイトを作る場合に役立ちます)
- サーバーとは?超初心者向け完全ガイド:Webサイトを公開する際に必要なサーバーの基礎知識
- ドメインとは?超初心者向け完全ガイド:Webサイトの住所となるドメインの基礎知識
Web サイトとは? 基本的な仕組み
普段私たちが見ている Web サイトは、いくつかの要素で成り立っています。
- Web ページ:文字や画像、動画などが表示される個々のページのことです。HTML や CSS、JavaScript といった言語で作られています。詳細はプログラミング言語入門を参照してください。
- サーバー(ホスティング):作成した Web ページのデータ(ファイル)を保管しておくコンピューターのことです。インターネットを通じて、ユーザーからのリクエストに応じてページデータを送り返します。自分でサーバーを用意するほか、レンタルサーバーやクラウドサービスを利用するのが一般的です。
- ドメイン:インターネット上の「住所」にあたるものです。「
example.com」のような文字列で、ユーザーが特定の Web サイトにアクセスするために使います。独自ドメインを取得して利用することが多いです。
ユーザーがブラウザにドメイン名を入力すると、インターネットを通じて対応するサーバーにリクエストが送られ、サーバーから送られてきた Web ページのデータがブラウザによって表示される、というのが基本的な仕組みです。
なぜ Web サイトを作るのか? 目的を明確にしよう
Web サイト作成を始める前に、「何のために Web サイトを作るのか?」という目的を明確にすることが非常に重要です。目的によって、必要な機能や適した作り方が変わってくるからです。
Web サイトの目的例:
- 情報発信・広報:企業やお店、個人の活動内容を紹介したい。
- ブログ運営:日記や専門知識、趣味などについて記事を書きたい。
- オンラインストア(EC サイト):商品をインターネットで販売したい。
- ポートフォリオ:デザイナーやエンジニアなどが自分の作品やスキルを紹介したい。
- コミュニティ:特定のテーマで人々が集まる場所を作りたい。
Web サイト作成の主な方法と比較
Web サイトを作成する方法は、大きく分けて以下の 3 つがあります。
1. ノーコード / ローコードツール (Web サイトビルダー)
プログラミングの知識がほとんど、または全くなくても、マウス操作や用意されたパーツの組み合わせで Web サイトを作成できるツールです。
- 代表的なツール例:Wix, Squarespace, STUDIO, Jimdo など
- 特徴:デザインテンプレートが豊富。ドラッグ&ドロップで直感的に操作できる。
- メリット:
- 専門知識がなくても簡単に始められる。
- 比較的短期間でサイトを公開できる。
- サーバーやドメインの設定もツール内で完結できる場合が多い。
- デメリット:
- デザインや機能の自由度が低い場合がある。
- 月額/年額の利用料金がかかることが多い。
- サービスによっては、細かいカスタマイズや外部サービスとの連携に制限がある。
- 向いている人:とにかく早く簡単にサイトを持ちたい人、プログラミングはしたくない人、デザインにこだわりつつも手軽に作りたい人。
2. CMS (コンテンツ管理システム)
Web サイトのコンテンツ(テキスト、画像など)を管理・更新するためのシステムです。WordPressが世界的に最も有名で、圧倒的なシェアを誇ります。
- 代表的なシステム例:WordPress, Drupal, Joomla など
- 特徴:ブログ機能がベースになっていることが多い。テーマ(デザインテンプレート)やプラグイン(拡張機能)が豊富で、カスタマイズ性が高い。
- メリット:
- ブログ運営や頻繁な情報更新がしやすい。
- テーマやプラグインによって、多様な機能(お問い合わせフォーム、EC 機能、会員機能など)を追加できる。
- 世界中で使われているため、情報やコミュニティが非常に豊富。
- 基本的な利用は無料(サーバー・ドメイン代は別途必要)。
- デメリット:
- 初期設定やカスタマイズにはある程度の学習コストが必要。
- ソフトウェアのアップデートやセキュリティ対策など、自分で管理・保守する必要がある。
- 高機能な反面、表示速度が遅くなる場合もある。
- 向いている人:ブログや情報発信サイトを作りたい人、ある程度自由にカスタマイズしたい人、将来的に機能を拡張したい人。
3. プログラミング (コーディング)
HTML, CSS, JavaScript といった言語を自分で書いて、Web サイトをゼロから構築する方法です。必要に応じて、フレームワーク(開発を効率化する骨組み)やライブラリ(便利な機能の部品)を利用します。
- 主な使用言語/技術:HTML, CSS, JavaScript, (バックエンド言語: Python, Ruby, PHP など), (フレームワーク: React, Vue, Next.js, Ruby on Rails など)
- 特徴:デザインも機能も完全に自由に設計・実装できる。
- メリット:
- デザインや機能の自由度が最も高い。
- サイトのパフォーマンス(表示速度など)を最適化しやすい。
- Web 制作のスキルそのものが身につく。
- デメリット:
- プログラミングの学習コストが非常に高い。
- サイト完成までに時間と手間がかかる。
- サーバーやデータベースなどのインフラ知識も必要になる場合がある。
- 向いている人:オリジナリティの高いサイトを作りたい人、Web 制作のスキルを深く学びたい人、パフォーマンスにこだわりたい人、特定の機能を持つ Web サービスを開発したい人。
最近では、Next.js や Astro のような静的サイトジェネレーター(SSG)も人気です。これらはプログラミング知識が必要ですが、高速でセキュアなサイトを構築でき、CMS との連携も可能です。ブログやドキュメントサイトなど、コンテンツ中心のサイトに適しています。例えば、Next.jsを使用することで、高速でセキュアなブログサイトを構築できます。
Web サイト作成の基本的な流れ
どの方法を選ぶにしても、大まかな流れは共通しています。
- 企画・設計:
- 目的・ターゲットの明確化:誰に、何を伝え、どうなってほしいか?
- サイト構成の決定:どのようなページが必要か?(サイトマップ作成)
- 各ページの設計:どのような情報を、どの順番で載せるか?(ワイヤーフレーム作成)
- デザイン作成:サイト全体の見た目(色、フォント、レイアウトなど)を決めます。ツールによってはテンプレートを選んだり、デザインツール(Figma など)で作成したりします。
- 開発・構築:選んだ作成方法(ノーコード、CMS、コーディング)に従って、実際にサイトを形にしていきます。
- コンテンツ作成:サイトに掲載する文章、画像、動画などのコンテンツを用意し、作成したページに入力・配置します。
- 公開準備・公開:
- ドメイン取得:サイトの住所となるドメイン名を決め、取得します。
- サーバー契約・設定:サイトデータを置くサーバーを用意(契約)し、設定します。(ノーコードツールでは不要な場合も)
- アップロード・公開:作成したサイトデータをサーバーにアップロードし、ドメインと紐付けてインターネット上で閲覧できるようにします。
- 運用・保守:サイトは公開したら終わりではありません。
- 情報更新:コンテンツを定期的に追加・修正します。
- バックアップ:万が一に備えてサイトデータを定期的に保存します。
- 分析・改善:アクセス状況を分析し(Web サイト分析入門:GA4 で見るべき基本指標と活用法を参照)、より良いサイトになるよう改善を続けます。
- (CMS やプログラミングの場合)ソフトウェアのアップデートやセキュリティ対策。
目的に合わせた作り方の選び方(ヒント)
- 個人の簡単なブログや日記を始めたい → ノーコードツール or WordPress (CMS)
- お店や会社の基本的な情報を載せたサイトがすぐに欲しい → ノーコードツール
- 頻繁に情報を更新するニュースサイトやメディアサイトを作りたい → WordPress (CMS)
- 商品をオンラインで販売したい → EC 機能付きのノーコードツール or WordPress + EC プラグイン or EC 特化 CMS (Shopify など) or プログラミング
- デザインや機能に徹底的にこだわりたい、Web サービスを作りたい → プログラミング
- Web 制作のスキルをしっかり身につけたい → プログラミング
よくある誤解とその構造
Webサイトを作る際、「手法を選べば成果が出る」という誤解が生じやすいです。具体的には「Webサイトを作れば成果が出る」「ノーコードツール、CMS、プログラミングなど、技術を選べば成果が出る」といった形で現れます。
なぜこの誤解が生じるのか
これらの誤解は、「手法の選択」と「前提設計」の関係を逆転させて考えることで生じます。
多くの解説では、手法の選択(ノーコードツール、CMS、プログラミングなど)が重要であることが強調されます。確かに手法の選択は重要です。しかし、手法の選択が先に来るのではなく、「何を達成したいのか」「どこで勝つのか」「何を見て良し悪しを判断するのか」という前提設計が先にあるべきです。
前提設計が明確でない状態で手法を選んでも、どれを選んでも効果が発揮されにくい傾向があります。なぜなら、手法は「手段」であり、目的が明確でなければ、手段の選択基準が曖昧になるからです。
完璧な方法というものはなく、目的、スキル、予算、かけられる時間によって最適な選択は変わります。技術だけでなく、前提設計を重視することが重要です。
判断の構造を可視化する
Webサイトを作る際の判断プロセスを整理すると、以下のようになります:
- 前提設計(目的・戦略・判断軸の明確化)
- 何を達成したいのか(情報発信?ブログ運営?ECサイト?ポートフォリオ?)
- どこで勝つのか(どのターゲット?どの機能?)
- 何を見て良し悪しを判断するのか(アクセス数?コンバージョン率?満足度?)
- 目的の明確化(何を作りたいかの特定)
- 情報発信・広報、ブログ運営、ECサイト、ポートフォリオなど、目的を明確にする
- 手法の選択(前提設計に基づく選択)
- 目的、スキル、予算、かけられる時間を考慮して、ノーコードツール、CMS、プログラミングのいずれかを選択
- 企画・設計と開発(前提設計に基づく実装)
- サイト構成の決定、デザイン作成、開発・構築、コンテンツ作成
- 公開と継続的な改善(実務での活用)
- ドメイン取得、サーバー契約・設定、アップロード・公開
- 情報更新、バックアップ、分析・改善
この順序を逆転させると、手法の選択が目的化し、成果につながりにくくなります。
実務で見落とされがちな点
前提設計が欠落している場合、以下のような問題が起きやすいです:
- Webサイトを作っても成果が出ない
- 改善施策を打っても成果が出ない
- 改善の方向性がブレる
これらの問題は、技術の選択ではなく、前提設計の欠落が原因である可能性が高いです。
また、技術を選べば成果が出ると考える誤解も生じやすいです。技術は重要ですが、目的・戦略・判断軸が明確でないと、どれを選んでも効果が発揮されにくい傾向があります。目的、スキル、予算、かけられる時間を考慮し、前提設計を重視することが重要です。
一般的に語られるWebサイト作成の考え方
Webサイト作成について、多くの場合、以下のような考え方が語られます。ただし、これらは一般的な傾向であり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。
Webサイト作成の重要性
Webサイト作成は、現代のビジネスにおいて欠かせない取り組みとして重要とされています。情報発信、集客、販売など、様々な目的でWebサイトが活用されています。
判断の軸:
- 自社の目的(何を達成したいか)に照らして、どのWebサイト作成方法が重要か
- 自社のリソース(時間・予算・人材)に照らして、どのWebサイト作成方法が現実的か
- 自社のターゲット顧客に照らして、どのWebサイト作成方法が有効か
実務視点で見ると見落とされがちな点
一般的な考え方とは別に、実務では以下の点が見落とされがちです。ただし、これらもすべてのケースに当てはまるわけではありません。
前提設計の欠落
Webサイト作成で成果が出ない最大の原因は、技術の選択ではなく、前提設計(目的・戦略・判断軸)の欠落である可能性が高いです。
何が起きるか:
- Webサイトを作っても成果が出ない
- 改善施策を打っても成果が出ない
- 改善の方向性がブレる
判断の軸:
- 目的(何を達成したいか)が明確か
- 戦略(どこで勝つか)が決まっているか
- 判断軸(何を見て良し悪しを判断するか)が設定されているか
5分診断:Webサイトを作る前に確認すべきこと
Webサイトを作る前に、以下の診断で自社の状況を確認することが有効な場合があります。
Q1:前提設計(目的・戦略・判断軸)が明確か?
- Yes → Q2へ
- No → 前提設計を明確にする(Webサイト作成の目的、どの指標を重視するか、何を見て良し悪しを判断するか)
Q2:目的(何を作りたいか)が明確か?
- Yes → Q3へ
- No → 目的を明確にする(情報発信、ブログ運営、ECサイト、ポートフォリオなど)
Q3:継続的な改善(効果測定・改善サイクル)ができているか?
- Yes → 次のステップへ
- No → 継続的な改善の仕組みを作る(効果測定、改善サイクル、次の施策の決定)
診断結果に基づく次のアクション:
- Q1がNoの場合:前提設計を明確にする(Webサイト作成の目的、どの指標を重視するか、何を見て良し悪しを判断するか)
- Q2がNoの場合:目的を明確にする(情報発信、ブログ運営、ECサイト、ポートフォリオなど)
- Q3がNoの場合:継続的な改善の仕組みを作る(効果測定、改善サイクル、次の施策の決定)
本記事の範囲と限界
本記事はWebサイト作成の判断の型(前提設計→手法選定)に特化しています。実際の成果や適した手法は、目的・リソース・スキルにより異なるため、自社の前提に合わせた判断をおすすめします。
まとめ:まずは一歩を踏み出そう!
Web サイト作成には様々な方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ただし、これらは一般的な傾向であり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。状況に応じて、複数の視点から検討し、最適な方法を見つけることが重要です。
判断の軸
Webサイトを作る際は、以下の判断軸を参考にすることが有効な場合があります:
- 前提設計(目的・戦略・判断軸)が明確か
- 目的(何を作りたいか)が明確か
- 継続的な改善(効果測定・改善サイクル)ができているか
ただし、これらは一般的な傾向であり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。状況に応じて、複数の視点から検討し、最適な方法を見つけることが重要です。
次のステップ
今回紹介した考え方は、あくまで一つの視点です。重要なのは、自社の状況・リソース・目的に照らして、どこを採用し、どこを捨てるかを考えることです。
「正解」は存在しませんが、「自社にとって可能性が高い選択肢」を複数の視点から検討し、検証を繰り返すことで、成果につながる可能性があります。
具体的には、以下のステップを検討することが有効な場合があります:
- 前提設計(目的・戦略・判断軸)を明確にする
- 診断フローで自社の状況を確認する
- 目的、スキル、予算、かけられる時間を考慮して、作成方法を選ぶ
- 実際に手を動かして試してみる
初心者への一言
Webサイトを作るのは、確かに大変です。
前提設計が重要で、目的の設定が必要で、継続的な改善も必要です。
でも、最初から全てを完璧に行う必要はありません。
まずは自社にとって重要度の高い部分から少しずつ学び、試していくことが、より効果的な可能性が高い方法を見つける近道になる場合があります。
重要なのは、「正解」を探すのではなく、「自社にとって可能性が高い選択肢」を複数の視点から検討し、検証を繰り返すことです。
難しく考えすぎず、まずはこの記事を参考に自分に合いそうな方法を見つけてみてください。そして、実際に手を動かして試してみることが、Web サイト作成の最も良い学び方とされています。
最近は無料プランを提供しているノーコードツールや、比較的安価なレンタルサーバーで WordPress を試すこともできます。ぜひ、あなただけの Web サイトを作る第一歩を踏み出してみてください。
次に読むおすすめの記事
Webサイト作成について理解を深めたら、以下の記事も参考にしてください:
より深く学ぶ
- Web制作完全ガイド:Web制作の全体像と判断軸
- レスポンシブデザイン完全ガイド:様々なデバイスに対応したWebサイトの作り方
- CMS選定ガイド:CMSを使ったWebサイト制作の方法
実践的な活用
- プログラミング言語入門:Webサイト制作に使われる言語の基礎
- UI/UX完全ガイド:ユーザー体験を考慮したWebサイト設計
- SEO入門:検索エンジンで見つけてもらうための基礎
サイト公開後
- GA4入門:サイト公開後の分析手法
- Webパフォーマンス完全ガイド:サイトの表示速度を最適化する方法
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