デシル分析|顧客を 10 分位で把握(上位層の寄与を見抜く)
顧客を売上などで並べ、10 等分して寄与を比較します。ハイエンド集中か、均等分布かを直感的に把握可能です。
この記事が想定する読者:顧客の売上・購入回数などの分布と上位層の寄与を把握し、VIP施策かマス施策かの判断材料にしたい担当者。
判断を誤るとどうなるか:期間や新規/既存を区別せずにデシルを見ると、解釈がぶれて施策を誤る。先に期間・指標・新規/既存の切り分けを決め、コホート別にも見ると失敗しにくい。
まずはここだけ(やさしい導入)
- 何をする?: 売上などで顧客を並べ、10 等分(デシル)で分布と寄与を把握
- いつ使う?: VIP 寄与の把握、施策の優先度付け、偏りの監視
- どう読む?: 上位デシルの寄与が大きいなら VIP 施策、均等ならマス施策を検討
用語ミニ辞典(1 行で)
- 分位(quantile): データを等しい人数のグループに分ける位置
- コホート: 同期間に獲得した顧客群。比較の単位
- シェア: 各デシルの売上構成比
最小コード
import pandas as pd
df = pd.DataFrame({
'customer':['A','B','C','D','E','F','G','H','I','J'],
'sales':[120000,80000,60000,15000,5000,40000,22000,9000,30000,70000]
}).sort_values('sales', ascending=False)
df['decile'] = pd.qcut(df['sales'].rank(method='first', ascending=False), 10, labels=False) + 1
summary = df.groupby('decile').agg({'sales':['sum','mean','count']})
summary.columns = ['sales_sum','sales_mean','n']
summary['share'] = summary['sales_sum']/summary['sales_sum'].sum()
print(summary)
可視化(デシル棒+パレート曲線)
import matplotlib.pyplot as plt
summary_sorted = summary.sort_index()
fig, ax1 = plt.subplots(figsize=(6,3))
ax1.bar(summary_sorted.index, summary_sorted['sales_sum'], color='#69b3a2', label='sales_sum')
ax1.set_xlabel('decile'); ax1.set_ylabel('sales_sum')
ax2 = ax1.twinx()
ax2.plot(summary_sorted.index, summary_sorted['share'].cumsum(), color='#ff6f61', marker='o', label='cum_share')
ax2.set_ylabel('cum_share'); ax2.set_ylim(0,1.05)
plt.title('Decile sales and Pareto curve')
plt.tight_layout(); plt.show()
読み方と活用
- 上位デシルの寄与が大きい → VIP/ロイヤル強化、専用施策
- 下位デシルが厚い → マス施策や CX 改善の余地
実務ケーススタディ(VIP 寄与の見える化)
目的: 上位 20% の顧客が売上の大半を占めるかを確認し、優先施策を設計。
- 設計
- 期間を固定(例: 直近 6 か月)、新規/既存を分けて集計
- 可視化
- デシル別売上の棒グラフと累積曲線(パレート)
- 施策
- 上位はロイヤル化(会員特典/パーソナライズ)、下位はオンボーディング/CX 改善
練習問題(理解を定着)
- 新規比率が高い月で上位デシルの寄与が下がった。解釈は?
- ヒント: 既存寄与が薄まる。コホートで比較
- デシルが期間で大きく変動。何を疑う?
- ヒント: セールやキャンペーンの影響。平常期と分ける
- 指標を“売上回数”にすると結論が異なる。どう扱う?
- ヒント: 目的に応じ複数指標で評価し、矛盾は原因を特定
落とし穴
- 期間設計で分布が変わる(短期は変動が大、長期は均される)
- 新規/既存を分けないと解釈がぶれる
判断の土台として押さえておくこと
- 10分位で寄与を比較する:売上・回数などで顧客を並べ、デシル別の合計・構成比・累積を把握。上位デシル寄与が大きい→VIP施策、均等→マス施策を検討。
- 期間・指標・新規/既存を設計する:期間を固定し、新規/既存やコホートで分けて集計。指標は目的に応じて売上・回数・粗利・CVRなどを使い分ける。
- 読み方と落とし穴:期間依存・セールの影響・指標の違いで結論が変わるため、複数指標や平常期で確認する。
次の一手:ABC 分析/RFM 分析/アソシエーション分析
関連と次の一歩
よくある質問(FAQ)
- Q: 新規流入が多い月は比較できる?
- A: 新規/既存を分けて集計。コホート別のデシルも有効
- Q: 指標は売上だけで良い?
- A: 回数・粗利・CVR など施策目的に応じて選択
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