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AI活用・LLM

AI画像生成ツール完全ガイド:Midjourney・DALL-E・Stable Diffusionの使い分け

2025年11月9日
最終更新: 2026年8月20日
24分で読めます
AI画像生成ツール完全ガイド:Midjourney・DALL-E・Stable Diffusionの使い分け

この記事の結論

Midjourney・DALL-E系(現行はGPT Image 2)・Stable Diffusionの3つのAI画像生成ツールを比較。特徴・価格・向いている用途を整理し、DALL-E APIの提供終了時期など2026年8月時点の最新状況を踏まえて、自社の用途に合ったツールの選び方と判断の順番を解説します。

AI画像生成ツール完全ガイド:Midjourney・DALL-E・Stable Diffusionの使い分け

「AI画像生成ツールを使いたいけど、どれを選べばいいの?」「MidjourneyとDALL-E、Stable Diffusionの違いは?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。

AI画像生成技術は、モデルの世代交代が速い領域です。OpenAIは2025年11月14日、DALL-E 2・DALL-E 3のAPIモデルを2026年5月12日付で廃止すると発表しており(公式deprecationsページ)、2026年8月時点の現行モデルは後継のGPT Image 2(公式スナップショットID gpt-image-2-2026-04-21=2026年4月21日公開、公式モデルページ)です。Midjourneyは、アーティスティックな画像生成において高い評価を得ています。Stable Diffusionは、オープンソースとして、カスタマイズ性の高さで注目を集めています。

AI画像生成ツールは、デザインやマーケティング、コンテンツ制作の効率を改善しやすくする可能性がありますが、ツールによって特徴や強みが異なります。しかし、なぜ各ツールがその特徴を持っているのか?どうすれば最適なツールを選べるのか?

この記事では、Midjourney、DALL-E、Stable Diffusionの3つを徹底比較し、なぜそのツールが選ばれるのかを詳しく解説します。

注意:価格、機能、利用方法などは頻繁に変更される可能性があるため、実装時は各ツールの公式サイトで最新情報を確認してください。

30秒で要点

  • Midjourney・DALL-E系(現行モデル:GPT Image 2)・Stable Diffusionの3つを、特徴・価格・向いている用途で比較
  • DALL-E 2/3のAPIは2026年5月12日で提供終了予定。現行はGPT Image 2(2026年4月公開)に置き換わっている
  • ツールごとの向き不向きを踏まえ、用途→予算→技術レベル→試用の順で選ぶ判断軸を示す

用語意味
APIシステム同士がデータをやり取りする窓口
UXユーザー体験。使いやすさ・迷いにくさ
UI画面の見た目と操作

この記事でわかること

  • 3つのAI画像生成ツールの特徴と違い、各特徴がある理由
  • 機能、価格、使いやすさの比較と、各違いが生まれる理由
  • 適した用途と選び方、各用途に適している理由
  • 実践的な活用方法とプロンプト例、各方法が効果的な理由

前提整理:確かなことと、まだ不確かなこと

AI画像生成ツールの比較記事は、執筆時点のスナップショットが数ヶ月で古くなりやすい領域です。ここで一度、確度を分けておきます。

確かなことまだ不確かなこと
DALL-E 2・DALL-E 3のAPIモデルは2026年5月12日付で廃止される(OpenAI公式発表)廃止後の後継モデル(GPT Image 2等)の具体的な価格体系が今後どう推移するか
GPT Image 2は2026年4月21日公開の現行モデルである(公式スナップショットIDで確認)3ヶ月後にもこの記事の価格表記が正確である保証(変動が速い領域のため。Midjourney公式も「プラン内容・価格は変更されうる」と明記)
Midjourneyのサブスクリプションプランは Basic/Standard/Pro/Mega の4段階構成である(公式ドキュメントで確認、2026年8月19日時点)
Midjourneyは Web(midjourney.com)と Discord の両方で使え、Web 利用に Discord アカウントは必須ではない(公式ドキュメントで確認)Custom Suffixes & Option Sets など、Discord 側にしかない機能が一部残っている

以降の比較・価格は、この前提を踏まえた執筆時点の情報として読んでください。

なぜ「古いツール名がそのまま使われ続ける」誤解が起きやすいのか:AI画像生成ツールは、ブランド名(DALL-E、Midjourneyなど)が製品カテゴリの代名詞のように定着しやすい領域です。中身のモデルが世代交代しても、ブランド名だけが独り歩きして記事・比較表・社内資料にコピーされ続けます。「DALL-E」という名前を検索すれば情報が見つかるため、読者もライターも"名前が同じなら中身も同じ"と誤認しやすく、結果として廃止済みのAPI仕様や旧価格がそのまま転載され続けます。

1. 比較対象の3つのツール

1.1 Midjourney:アーティスティックな生成に寄せた設計

開発元:Midjourney Inc./動作環境:Web(midjourney.com)とDiscordの両方(Discordアカウントは必須ではなく、Googleアカウントでの登録・利用も可能。公式ドキュメント)/コミュニティ:活発

強みの出所

  • 学習データがアート作品・デザイン素材寄りで、美的品質(構図・色彩・光)を重視したチューニング
  • 「1 プロンプトに対し 4 枚同時生成」という UX で、選ぶ前提を前提にした設計

注意点:文字描画・現実的な構造物(手・指・文字)は今も苦手。広告素材は後処理前提で使う。Web版で完結する機能は増えたが、Custom Suffixes・Option Setsなど作成・管理がDiscord側でしかできない機能も一部残っている(公式ドキュメント)。

1.2 DALL-E系(現行:GPT Image 2):テキスト理解と制御のしやすさ

開発元:OpenAI/提供形態:Web/API/統合:GPT 系モデル

世代交代に注意:OpenAIは2025年11月14日、DALL-E 2・DALL-E 3のAPIモデルを2026年5月12日付で廃止すると発表済みです(公式deprecationsページ)。2026年8月時点の現行モデルはGPT Image 2(2026年4月21日公開、公式モデルページ)で、以下の特徴・比較は基本的にこの系統に共通する傾向として読んでください。

強みの出所

  • GPT との統合で、指示文の意味理解が他ツールに比べて堅い
  • プロンプトの補完・最適化が内側で走るため、非エンジニアでも扱いやすい

注意点:抽象的な"雰囲気勝負"は Midjourney に劣る場面がある。商用利用範囲と価格体系は世代交代の影響を受けやすいため、最新の公式サイトで必ず確認する。

1.3 Stable Diffusion:カスタマイズとローカル実行

開発元:Stability AI/ライセンス:オープンソース/実行:ローカル/クラウド両対応

強みの出所

  • モデル差し替え・LoRA・ControlNet などで用途特化が可能(例:自社スタイルへの微調整)
  • ローカル実行すればプロンプトと入力画像を外部送信しない——機密データを扱う企業で意味を持つ

注意点:ローカルで本格運用するなら GPU と運用体制が必要。"無料だから始めやすい"は半分正しく、半分は内部工数への転嫁である点を見落とさないこと。

2. 機能比較

2.1 画像の品質:なぜ各ツールが異なる品質特性を持つのか

画像の品質は、各ツールの学習データとアルゴリズムによって決まります。なぜ各ツールが異なる品質特性を持つのか?それは、各ツールが異なる目的で設計されているからです。

Midjourney

  • 強み:アーティスティックで美しい画像
  • 特徴:芸術性が高い、スタイルが一貫している
  • 適している用途:アート、コンセプトアート、デザイン

なぜこの差が出るのか(概略)

  • Midjourney は美的品質(構図・色彩・光)を重視した学習と最適化
  • DALL-E は GPT と統合された自然言語理解、実用画像ペアの学習
  • Stable Diffusion はオープンソースでモデル差し替え・再学習が可能

DALL-E系(GPT Image 2)

  • 強み:実用的で正確な画像
  • 特徴:テキストの理解が優れている、リアルな画像
  • 適している用途:商品画像、実用的なイラスト、説明図

Stable Diffusion

  • 強み:カスタマイズ性が高い
  • 特徴:モデルを変更可能、様々なスタイルに対応
  • 適している用途:実験、カスタムモデル、特定のスタイル

比較結果(用途 × 向き不向き)

観点強い弱い
アーティスティックMidjourneyDALL-E
実用・正確さDALL-EMidjourney
カスタマイズ・独自モデルStable DiffusionDALL-E

2.2 テキストの理解:各ツールの向き不向き

ツール得意な指示苦手な指示
Midjourney雰囲気・コンセプト("未来の都市")数・位置・細かい配置指定
DALL-E具体的な描写("赤い車が駐車場に停まっている")過度に抽象的なスタイル表現
Stable Diffusion重み付け・ネガティブプロンプトを使った細かい制御何も設定しない状態での高品質出力

押さえておきたい点

  • DALL-E は指示に忠実:言ったとおりに出る一方、"雰囲気勝負" は Midjourney に劣る
  • Stable Diffusion は自由度が高い代わりに設計コスト:プロンプト重み/ネガティブ/シード管理を運用で維持する必要がある
  • 3 ツールとも 数字・文字描画は今も苦手。テキスト入りの最終形は後処理前提

2.3 生成速度と使いやすさ

ツール生成速度インターフェース学習コスト
Midjourney30 秒〜2 分(4 枚同時生成)Web(midjourney.com)/Discord の両方中(Web UIで完結できるが、一部機能はDiscordの操作に慣れが必要)
DALL-E10〜30 秒Web/API低(テキスト入力のみで試せる)
Stable Diffusionクラウド: 10〜30 秒/ローカル: GPU 依存Web UI/API/ローカル高(ローカル運用時)

判断で効く 3 点

  • "速度"は単独では意味を持たない。Midjourney の 1 分は 4 案同時生成なので、1 案あたりで見れば他社と大差ないケースもある
  • Stable Diffusion(ローカル)の速度は GPU 次第。低性能 GPU で回すと数分かかり、本格運用の時間コストが見合わなくなる
  • DALL-E は "初期の学習コストが低い" が "制御の細かさ" は弱い。非エンジニア部門で自走させたい場合の第一候補

プライバシーの観点

Stable Diffusion をローカルで動かす最大の価値は、「プロンプトと入力画像を外部送信しない」ことで説明責任を果たしやすい点にある。社内資料・顧客情報を含むプロンプトを使う場合、クラウド版ではなくローカル運用を先に検討する。

3. 価格比較

3.1 Midjourney:価格体系の特徴

2026年8月19日時点で公式ドキュメントにて確認した内容です。

BasicStandardProMega
月額$10$30$60$120
年払い(月あたり換算)$96/年($8)$288/年($24)$576/年($48)$1,152/年($96)
Fast GPU時間3.3時間/月(200分)15時間/月30時間/月60時間/月
Relax GPU時間なし無制限無制限(SD動画含む)無制限(SD動画含む)
動画解像度SDSD・HDSD・HDSD・HD
Stealth Mode(非公開生成)
追加GPU時間$4/時間$4/時間$4/時間$4/時間

Midjourneyの価格体系は、Fast GPU時間(優先的に高速処理される生成時間)を基準にした設計です。Basicには無制限に使えるRelax GPU時間(低優先度の生成枠)がなく、Fast GPU時間を使い切ると生成が止まる点がStandard以上との大きな違いです。年払いは20%割引になります。

商用利用については、年間の総収益が100万ドルを超える企業はPro以上のプランが必要という規定があります(公式ドキュメント)。

注意:公式ページ自体が「プランの提供状況・機能は変更される可能性がある」と明記しています。上記は2026年8月19日確認時点の内容として扱い、契約前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。

3.2 DALL-E系(GPT Image 2):価格体系の特徴

旧DALL-E 2/3時代の「無料クレジット」「$15=115クレジット」といった価格体系は、DALL-E APIの提供終了(2026年5月12日、公式deprecationsページ)にともない現行モデルには引き継がれていません。現行モデルのGPT Image 2(公式モデルページ)の具体的な価格体系は世代交代直後で変動しやすいため、本記事では数値を断定せず、利用前に公式サイトで最新の価格を確認する運用を前提としてください。

注意:価格・クレジット体系は特に変動が速い領域です。本記事の他の価格表記も含め、実装時は必ず各ツールの公式サイトで最新情報を確認してください。

3.3 Stable Diffusion:価格体系の特徴

無料プラン

  • 価格:無料(ローカル実行)
  • 機能:制限なし
  • 制限:ハードウェアが必要

クラウド版

  • 価格:提供サービスにより異なる(執筆時点の参考値、要公式確認)
  • 機能:クラウド上で実行
  • 制限:サービスによる

Stable Diffusionはオープンソースであるため、モデル自体のライセンス費用はかかりません。ローカルで実行すれば追加コストは自前のハードウェアのみで、クラウド版を使う場合はサービスごとの従量課金になります。

比較結果

  • 無料で始められる:Stable Diffusion(ローカル) > DALL-E > Midjourney
  • コストパフォーマンス:Stable Diffusion(ローカル) > DALL-E > Midjourney
  • 商業利用のしやすさ:DALL-E ≈ Stable Diffusion > Midjourney

なぜこの比較結果になるのか

  • 無料で始められる:Stable Diffusion(ローカル)は自前のPCで実行するため、商用利用でも追加コストがかからず、気軽に試用できます
  • コストパフォーマンス:クラウドサービスの利用料が発生しないため、大量に生成しても追加コストが積み上がりません

4. 適した用途(どのツールを、どの場面で引くか)

まず結論:用途から先に決める。ツールから入ると、出力の癖に合わせた無理な運用になる。

用途第一候補第二候補判断ポイント
コンセプトアート・世界観づくりMidjourneyStable Diffusion"雰囲気重視" でどれだけ盛るか。後処理する前提で使う
商品画像・説明図・実務ビジュアルDALL-EMidjourney指示への忠実度。商用利用条件を必ず最新規約で確認
特定スタイルの量産・独自モデル化Stable Diffusion社内 GPU と運用人員の有無。見えないコストの見積もりが鍵
機密情報を含む素材Stable Diffusion(ローカル)プロンプト/入力画像の外部送信有無で選ぶ
SNS・広告のクリエイティブ量産Midjourney + DALL-E 併用"絵"は Midjourney、"キャプション入りの実務素材"は DALL-E と割る

どのケースでも共通で押さえる点

  • そのまま納品しない:AI 生成物はラフ・下地として扱い、人が最終調整する前提で工程を組む
  • 商用利用と帰属の整理:各ツールの規約は頻繁に変わる。発注時点での契約と、生成時点での規約を両方確認する
  • 類似性の確認:既存作品との類似が疑われる出力は、使う前に逆画像検索で確認する

5. プロンプトの型(各ツール共通で効く要素)

ツール差はあるものの、プロンプトで精度が上がる要素はほぼ共通です。下のサンプルはあくまで雛形で、自社の用途に合わせて "どの要素を必ず入れるか" を決めて使い回すのが現実的な運用になります。

共通で入れるべき 4 要素

  1. 被写体:何を描くか("a futuristic city")
  2. スタイル:どの系統か("cyberpunk style" / "corporate" / "anime" など)
  3. 品質・解像度:期待する精細度("highly detailed, 4k, cinematic lighting")
  4. 構図・比率:用途に合うフォーマット(アスペクト比・ポートレート/ランドスケープ)

5.1 Midjourney

/imagine prompt: a futuristic city at sunset, cyberpunk style,
highly detailed, 4k, cinematic lighting, --ar 16:9

  • --style raw で "盛り" を抑え、写真寄りの自然な仕上がりにできる
  • --ar でアスペクト比を指定(SNS 正方形/Web バナー 16:9 など)
  • 同じプロンプトで 複数枚生成してから選ぶ 前提で運用する

5.2 DALL-E

A red car parked in a parking lot, sunny day,
photorealistic, high quality

  • 具体的な位置関係・数・色を明示すると精度が上がる("赤い車が駐車場に停まっている" のように)
  • インフォグラフィックやテキスト入り画像は DALL-E のほうが破綻しにくい傾向
  • API 経由で使う場合は sizestylenatural / vivid)の差が品質に効く

5.3 Stable Diffusion

A beautiful landscape, mountains, sunset,
high quality, detailed, 4k
Negative prompt: blurry, low quality, distorted

  • ネガティブプロンプトで「入れてほしくない要素」を明示できるのが他ツールと異なる強み
  • モデル(checkpoint)を変えるだけで画風が大きく変わるため、まずモデル選定から始める
  • LoRA やカスタム学習を前提にするなら、ローカル運用(GPU 要件)を先に確認する

プロンプト運用で押さえる判断軸

  • 一発で決めようとしない:同じ指示で 4〜8 枚生成してから採用する、が前提
  • 後工程の編集込みで設計:生成後に Photoshop/GIMP で微調整する運用のほうが、完璧なプロンプトを探すより速い
  • テンプレ化して資産にする:自社で効いたプロンプトは 社内で共有して流用できる状態にする

6. 選ぶ順番:用途 → 予算 → 技術レベル → 試用

ツール選定は「知名度」や「価格」だけで決めると、後で作り直しが増える側にブレます。4 ステップを順番に通すほうが、意思決定の後戻りが少なくなります。

ステップ1:用途を言語化する

まずは「1 週間で何枚、どの用途で使うか」を先に書き出します。ここが曖昧だと、どのツールも "それなりに使える" に見えてしまって選べません。

用途第一候補次の候補
ブランディング/アーティスティックMidjourneyStable Diffusion(カスタムモデル)
実用画像・正確な指示どおりの描画DALL-EMidjourney(--style raw)
大量生成・特殊スタイル・オンプレ要件Stable Diffusion

ステップ2:予算で絞る

同じ枚数を月あたりいくらで出すかで見ると、比較がブレません。ローカル運用の Stable Diffusion は 月額は安く見えて GPU 費用が別で発生する点に注意します。

前提適したプラン例
まず試したい/個人利用DALL-E の無料枠、または Stable Diffusion(ローカル)
月 $10〜30 で回したいMidjourney Basic/Standard
大量生成・API 統合前提Stable Diffusion(自前 GPU) or DALL-E API

ステップ3:技術レベルを踏まえる

  • 非エンジニア中心 → DALL-E(Web UI で完結)。Midjourney も Web 版だけで基本操作は完結するが、Custom Suffixes・Option Sets など一部機能はDiscordでの操作が必要
  • デザイン担当が触る → Midjourney(Web版中心で始められ、慣れてきたらDiscord側の機能も使う)
  • エンジニアが運用できる → Stable Diffusion(モデル管理・GPU 管理が必要)

「将来エンジニアに任せたいから Stable Diffusion」で走ると、今の現場が触れずに止まることがあります。現時点で誰が触るかで判断するのが実務解です。

ステップ4:1〜2 週間の試用で実感を取る

スペック表では差が見えにくいので、同じ題材を同じ枚数、各ツールで生成して並べるのが最も速い意思決定手段です。

  • 社内で使う代表的な題材を 2〜3 件選ぶ(例:SNS 画像、アイキャッチ、資料挿絵)
  • 同じプロンプトで各ツール 10 枚ずつ出す
  • "採用率" を比べる(10 枚中何枚が公開 OK に耐えるか)

ここで出た採用率が、そのまま月額コスト × 運用工数の判断材料になります。

7. ビジネスで使うときに気をつけること

「AI で画像を作る」ところは簡単でも、仕事で使う段階になって詰まるポイントは共通しています。用途別に、先に押さえておくべき判断軸を置きます。

7.1 マーケティング用途(SNS・広告・ブランドビジュアル)

  • ブランドの統一感:同じスタイル指定で出しても、日をまたぐと微妙にブレる。シード値・スタイルプロンプトを固定して運用する
  • 広告媒体規約:各プラットフォームで AI 生成画像の扱いが異なる(開示ラベル義務の有無など)。媒体側の最新ガイドラインを都度確認する
  • 人物の描写:架空の人物を "商品の利用者" として見せると誤認誘導になりやすい。AI 生成であることがわかる設計にするか、実写と併用する

7.2 コンテンツ制作用途(アイキャッチ・イラスト・説明図)

  • アイキャッチ量産の落とし穴:記事内容と画像の関連性が薄いと、検索流入後の直帰率が上がる。キーワード連動でプロンプトを設計する
  • 説明図・チャート:テキストや数字の描画は今も苦手。文字を含む図は後処理で差し替え前提にする
  • 著作権表記:素材ライブラリの画像と混在運用する場合、生成画像側のライセンスだけを別軸で管理する仕組みを用意する

7.3 デザイン用途(コンセプト・プロトタイプ・スタイル探索)

  • プロ用の最終納品には向かない前提:AI はアイデア出し・ラフの速度で強い。最終形は手直し込みで設計する
  • スタイル探索の効果style exploration は最も効果が出やすい。10 案作って 1 案に絞るほうが、1 案を練るより早く決まる
  • クライアント提案への使用:AI 生成である旨を事前に合意しておく。説明せずに出すと、信頼の問題になりやすい

8. 注意点:先に決めておくと事故が減る 3 つのこと

8.1 著作権・ライセンス(商用利用で最初に確認すべき)

ここは法的リスクに直結する領域のため、「たぶん大丈夫」で進めないほうが安全です。以下は起点として押さえておきたい論点で、最終判断は必ず公式規約と、必要なら法律専門家の確認を経てください。

  • 生成画像の権利はツールと契約プランで変わる:同じツールでも、無料枠と有料枠で商用利用可否が違うことがある
  • 学習データ由来のリスク:著作物に近い出力が返るケースがある。そのまま納品物に使わず、独自編集を必ず挟む運用が安全側
  • AI 生成であることの開示:広告媒体・BtoC サービスで開示ラベルが要求される流れがある。開示する前提で設計するほうが後戻りが少ない

8.2 プロンプトの最適化("いいプロンプト"より"型の使い回し")

プロンプトは無限に工夫できるが、業務では再現性のほうが大事です。

  • 具体性と抽象性のバランス:指示を盛りすぎると逆にブレる。効いた要素を 5〜7 個に絞るのが運用しやすい
  • ネガティブプロンプトの運用:Stable Diffusion 系は必須、Midjourney/DALL-E では表現の工夫で代替する
  • 反復改善のログを残す:何を変えたら何が変わったかを社内 Wiki に蓄積する。個人のノウハウにとどめない

8.3 品質の確保(完成度は "選別 + 後処理" で作る)

  • 複数案出して選ぶ運用:1 枚を粘って作るより、10 枚出して 1 枚選ぶほうが速くて質も安定する
  • 後処理を前提に:Photoshop / GIMP / Canva などで色調補正・トリミング・文字合成を挟む
  • 一貫性の担保:ブランドごとに シード・スタイル・カラーパレットをテンプレ化して、担当者が変わっても揺れない状態にする

AI 画像生成ツールの選び方:判断の土台

3 ツールは強みが違うだけで、どれが優れているかという話ではありません。自社の用途と運用体制に合うかで決まります。

ツール強み向かない領域
Midjourney芸術性・一貫したスタイル正確な指示どおりの描写・テキスト入り画像
DALL-E指示の正確さ・実用画像・API 統合芸術性や細かなスタイル制御
Stable Diffusionカスタマイズ性・オンプレ・大量生成非エンジニア運用・初期導入の速さ

選んだ後に詰まりやすいこと

  • プロンプトは型を作って社内共有する。個人のノウハウにとどめると属人化する
  • 複数案生成 → 選別 → 後処理の運用を前提に、工数を見積もる
  • 著作権・ライセンスの扱いは導入前に決める。「たぶん大丈夫」で進めると、商用利用で詰まる

次の一手

重要:価格・機能・利用規約は頻繁に変わります。導入時には各ツールの公式サイトで最新情報を再確認してください。


次のステップ

AI画像生成ツールについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください:


自社の用途に合わせてAI画像生成ツールを選定したい場合は、状況を整理する(15分)から始めることができます。