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SEO・マーケティング

Googleの「Search profile」は順位対策ではない|読者を溜める施策とクエリに当てる施策を分けて評価する

2026年9月25日
11分で読めます
Googleの「Search profile」は順位対策ではない|読者を溜める施策とクエリに当てる施策を分けて評価する

この記事の結論

Googleの「Search profile」は検索順位の施策なのか。公式ドキュメントが書いているのは、フォローした読者のDiscoverに表示されやすくなる、というところまでです。 提供は現時点で米国のみ。日本の担当者が今決めておくべきは、設置の手順ではなく、この種の施策をどの箱に入れ、何で評価するかです。

Googleの「Search profile」は順位対策ではない|読者を溜める施策とクエリに当てる施策を分けて評価する

Googleが新しい機能を出すと、「うちも対応しないと」という空気が生まれます。検索に関係する機能なら、なおさら「SEO(検索エンジン最適化)施策」のひとつとして、順位対策のリストに加えたくなります。

2026年9月、Googleの検索担当者向けドキュメント(Search Central)に、「Search profile」のバッジを自社サイトに置く方法の説明が加わりました。これも同じように、順位対策のリストに入れたくなる種類の話です。

ただ、公式ドキュメントを読むと、この機能が効く先は検索順位ではありません。フォローした読者のDiscoverです。効く先が違えば、評価に使う数字も違うはずです。この記事では、Search profileを題材に、「Google対策」をひとつの箱で数えないための分け方を整理します。

30秒で要点

  • Search profileは、Webやソーシャルメディア上の自分のコンテンツをGoogle上のひとつの宛先にまとめる機能
  • 公式ドキュメントが書いている効果は「フォローした読者のDiscoverに表示されやすくなる」まで。検索順位への影響は書かれていない
  • 2026年9月24日時点のGoogle検索ヘルプでは、提供は米国のみ。作成には主要SNSのいずれかで1万人以上のフォロワーなどが必要
  • 効く先が「検索語」か「読者」かで、施策を別の箱に入れ、別の数字で評価する
  • 日本の担当者が今やっておけるのは、設置ではなく、施策一覧の箱分けと評価指標の事前決定

用語意味
Search profile自分のコンテンツをGoogle上のひとつの宛先にまとめる機能。読者がフォローできる
Google DiscoverGoogle検索の一部で、ユーザーのウェブとアプリのアクティビティをもとに、その人の関心に関連するコンテンツを表示する場所。検索語を入れて探す検索結果とは別の入口
クエリ検索するときに入力する語句。従来のSEOは、クエリごとの検索結果での順位を追いかけてきた
Preferred Sources読者が特定のサイトを「優先する情報源」として選べるGoogleの機能。対象はドメイン単位。Search profileとは別の機能

公式ドキュメントに書かれていること

まず、確認できた事実を並べます。

Google Search Centralの更新一覧によれば、2026年9月16日に「Search profileのバッジを自社サイトに追加する方法」のドキュメントが加わりました。追加の目的は「サイト所有者が、読者を自分のSearch profileに誘導できるようにするため」と書かれています。なお、これは文書が追加された日であり、機能そのものの提供が始まった日ではありません。

Search profileのドキュメントは、この機能を次のように説明しています。Search profileは、Webとソーシャルメディア各所の自分のコンテンツを、Google上のひとつの宛先にまとめるもの。読者がフォローすると、プロフィールにリンクされたコンテンツ(Instagram、TikTok、YouTube、X、Facebook、自社サイトなどが例示されています)が、その読者のGoogle Discoverに表示されやすくなる。

実装は複雑ではありません。Search profileを取得(claim)したうえで、https://profile.google.com/@handle 形式のプロフィールURLへのリンクを、バッジ画像かテキストリンクで置くだけです。バッジの素材一式も配布されています。

日本では、現時点で作れない

ここで、この題材の前提を大きく変える制約があります。

2026年9月24日に確認したGoogle検索ヘルプの「Create a new Search profile」には、Search profileは現在米国でのみ提供されていると明記されています。新規作成の条件は次のとおりです。

  • YouTube・Instagram・X・TikTokのいずれか1つで、1万人以上の登録者またはフォロワーがいる
  • 18歳以上である
  • コンテンツがポリシーに準拠している

また、1つのGoogleアカウントから最大10個まで作れると書かれています。

つまり、日本の中小企業の多くは、今この機能を使えません。提供地域や条件は今後変わる可能性がありますが、それがいつ、どう変わるかを示す公式情報は確認できていません。

だからこの記事では、「今すぐ設置する手順」は扱いません。扱うのは、使えるようになったときに、どの箱に入れて何で評価するかを先に決めておくことです。

効く先が「検索語」か「読者」かで、施策は別物になる

最初は、Googleの検索に関わる機能なのだから、検索流入の施策としてSEOの一覧に加えればよいと考えました。ところが公式ドキュメントの説明を「何に効くのか」で読み直すと、その分類がずれていることに気づきます。

従来のSEO施策の多くは、検索語(クエリ)に当てる施策です。記事の中身を検索意図に合わせる、内部リンクを整える、表示速度を改善する。どれも「ある検索語で検索した人に、見つけてもらう」ための施策で、評価には検索語ごとの順位や、検索結果での表示回数・クリック数を使います。

Search profileは、これとは効く先が違います。公式ドキュメントが書いている効果は、フォローした読者のDiscoverに表示されやすくなることです。検索語を入れた人ではなく、一度フォローした人が対象です。こちらは読者との関係を溜める施策と呼べます。構造としては、メールマガジンの購読者を増やす、SNSのフォロワーを増やす、といった施策と同じ側にあります。

Google自身も、この区別を前提にしているように読めます。Search profileのブランドガイドラインは、Search profileバッジとPreferred Sourcesバッジを併用する場合、区別がつくようにラベル付きの強調されたSearch profileボタンを使い、Preferred Sourcesバッジと並べるときは「Super G」と呼ばれるアイコンを使わないよう指示しています。似た位置に置かれうる別の機能として扱っている、ということです。ただし、両者の効果の違いをGoogleが比較して示しているわけではありません。

Preferred Sourcesがドメイン単位で指定される仕様と、それがサイト構成の判断に持ち込むものは、Googleの「優先する情報源」はドメイン単位で扱いました。同記事では、ここ1か月の更新一覧に「読者が発行元を指定する」系の文書が続いていることにも触れています。

なぜ「Google対策」をひとつの箱で数えてしまうのか

効く先が違うのに同じ箱に入れてしまうのは、担当者の理解不足というより、組織の構造から起こります。

1つ目は、発信元で分類してしまうことです。「Googleが出した機能だからSEO担当」という分け方は、担当の割り振りとしては自然です。しかし発信元で分けると、効く先が違う施策が同じリストに並びます。

2つ目は、予算と担当が効く先ではなくチャネルで分かれていることです。SEOは検索、SNSやメール配信は別の予算、という持ち方をしていると、Search profileのように「Google上にあるが、効く先はフォロワー」という施策は、どちらの箱にも座りが悪い。座りが悪いものは、声の大きい方の指標で評価されがちです。検索の担当者が持てば、順位で評価したくなります。

3つ目は、「対応した」ことを成果と数えやすいことです。新機能への対応は、実施したかどうかが明確で報告しやすい。一方で、それが何に効いたかを測るには、先に指標を決めておく必要があります。指標が決まっていないと、「設置した」が成果として残り、効いたかどうかは問われません。

順位で評価すれば、Search profileは「効かない施策」に見えるはずです。公式ドキュメントは、そもそも順位への効果を書いていないのですから。逆に、効果を測る指標が無いまま「Google対策」の一覧に入れておけば、効いていないことにも気づけません。どちらも、箱を間違えたことから生じる判断の誤りです。

確かなことと、まだ確かではないこと

確かなこと(公式ドキュメント・ヘルプの記載による):

  • Search profileは、自分のコンテンツをGoogle上のひとつの宛先にまとめる機能で、フォローした読者のDiscoverに表示されやすくなる
  • 2026年9月16日に、バッジを自社サイトに置く方法のドキュメントが追加された
  • 2026年9月24日時点で、提供は米国のみ。作成には主要SNSのいずれかで1万人以上のフォロワーなどが必要
  • Googleのガイドラインは、Search profileとPreferred Sourcesを区別して見せるよう指示している

まだ確かではないこと:

  • フォローが、Discoverからの流入をどれだけ増やすか。公式ドキュメントは「表示されやすくなる」までしか書いておらず、効果の大きさを示す数値は確認できていない
  • 検索順位に何らかの影響があるか。公式ドキュメントに記述はない
  • 日本で、いつ、どのような条件で提供されるか
  • Discoverの中で、フォローされたコンテンツがどのように扱われるかの詳しい仕組み

施策を分ける2つの箱と、それぞれの評価指標

Googleに関係する施策は、発信元ではなく効く先で分けて評価すること。

箱効く先例評価に使う数字(例)
クエリに当てる施策検索語を入れた人検索意図に合わせた記事改善、内部リンク、表示速度検索語ごとの順位、検索結果での表示回数とクリック数
読者を溜める施策一度つながった人メルマガ購読、SNSフォロー、Search profileフォロワー数、フォロワー経由の訪問数

読者を溜める施策の評価指標は、分母と分子を先に決めておくと、施策同士を比べやすくなります。たとえば「フォロワーあたりの訪問数」なら、分子は「その経路から来た訪問の数」、分母は「その時点のフォロワー数」、単位は「訪問/人・月」です。経路ごとに同じ形で測れば、メルマガとSNSとSearch profileを同じ物差しで並べられます。ただし、Search profile経由の訪問をどこまで分けて計測できるかは、使えるようになった時点で確認する必要があります。

この分け方をしておくと、Search profileが日本で使えるようになったとき、「SEO施策として順位を見る」のではなく、「読者を溜める施策として、既存のメルマガやSNSと同じ物差しで比べる」という判断にすぐ移れます。

自分でも試せる、最小の検証

今、自社で「Google対策」「SEO施策」として管理している施策の一覧を開いてください。

  1. 各施策の横に、「効く先は検索語を入れた人か、一度つながった人か」を1語で書き込む
  2. その横に、「今、何の数字で評価しているか」を書き込む
  3. 「一度つながった人」に効く施策が、順位で評価されていないかを確認する

3で該当するものがあれば、それは箱を間違えている施策です。見つからなければ、次に新しい機能が出たときに、同じ2列を先に埋めてから一覧に加えれば済みます。どちらの場合も、Search profileを実際に設置する前にできる作業です。


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